私の初めての益子陶器市は、オンラインでした。
コロナ禍で家からまともに出られない日々が続き、大好きな外食や外飲みもできず、せめて家で美味しいものを外食みたいに食べようと思い、オンラインで食器をちょこちょこ買い始めたのです。
それまでも、うつわは好きで勉強もしていたし、買ってもいましたが、オンラインショップを頻繁に使うようになったのは間違いなくコロナがきっかけでした。
うつわ屋さんのオンラインショップはもちろん、リアル開催できない全国の有名陶器市による「オンライン陶器市」は、見ているだけでも本当にワクワクしました。購入したうつわに料理を盛り付けてSNSに投稿し、それを見てくれたうつわの作家さんと交流できたのも嬉しい思い出です。
コロナが落ち着き、全国で陶器市が再開され始め、初めて実際の益子陶器市に出向くことができました。
そこから、今年の秋で3回目の参加。まだまだひよっこですが、3回参加したことで、テントの場所や歩き方、楽しみ方を大分わかってきた気がします。
ということで、益子陶器市の歩き方、情報収集の方法など、私自身が益子陶器市に参加する際に「知りたい!」と思った情報をわかりやすくまとめてみました。
参考になれば嬉しいです!
目次
益子陶器市とは?
毎年、春(ゴールデンウィーク)と秋(文化の日前後)の2回開催されており、合わせて約60万人が来場します。
益子町の「城内坂」「道祖土(サヤド)」エリア全体が陶器市会場になっており、メイン通りはもちろん、脇道や陶芸メッセの広場など、至る所に「テント村」と呼ばれる販売エリアが点在しており、見応え抜群です。
また、益子陶器市には全国から様々な出店者が参加しており、益子焼以外の焼き物もたくさん見ることができます。
益子陶器市へ行くには?
車で行くか、電車で行くか、バスで行くか、です。
2024年時点での情報をまとめてみました。
車
車の場合は「北関東自動車道桜川筑西IC」を降り、県道41号線で益子まで向かいます。ICを降りてからの所用時間は約20分です。
車のメリット:出発時間を自由に決めて気楽に行ける、たくさん買い物をできる
車のデメリット:渋滞で到着時間が見えない、駐車場が混雑していると駐車に時間がかかる
陶器市開催中は、益子までの道路がかなり(本当にかなり)混雑します。また、来場者用の駐車場も、混雑時はなかなか空きが見つけられなかったりします。
ちなみに、陶器市エリアの有料駐車場料金ですが、以前は500円だったのが、混雑対策のためか、2024年春から1,000円に値上げされています。
会場から少し遠くには無料の駐車場もあるようなので、都度確認してみると良いかもしれません。
また、駐車場の混雑対策として、2024年は【公式】栃木県益子町 観光インスタグラムのハイライトで、陶器市開催中の空き状況を確認できたようです。
好評だったようなので、2025年以降も配信があるかもしれません。
電車
私は、初益子陶器市の際はレンタカー、その後はずっと電車を使っています。
これは人によると思いますが、私の住んでいる場所からだと、レンタカーで行くより電車の方が安く行けるのです。
電車のメリット:遅延がない限り、想定していた時間で移動できる
電車のデメリット:車より時間がかかる、車内混雑、持ち帰る荷物に限界がある
電車は何より、おおむね時間通りに到着できるのが魅力です。
ただ、時間によって混雑するのと、これも人によりますが、何度も乗り換えしなければならない場合は少し(かなり?)面倒です。
益子駅に行くためには、最後に必ず「真岡鐵道」に乗車します。本数は上り下り共にそこまで多くないので、事前に時刻表をチェックしておくのがおすすめです。
ちなみに、陶器市開催中は、下りの始発駅である下館駅と益子駅の間が1日乗り放題になる「益子陶器市フリーきっぷ」が販売されます。
下館駅から益子に向かう人は、購入しておくととても便利です。
毎回、真岡鐵道まで辿り着くと、早朝から電車を乗り継ぎようやくここまで来たぞ、と達成感のようなものを噛み締めます(笑)
陶器市の際は車内がかなり混雑しますが、レトロな車体と車窓から見えるのどかな景色には本当に癒されますよ。
時刻表やフリーきっぷなど、真岡鐵道の情報はこちらから。
タイミングが合えば、SLに乗ってみるのも良いかもしれません!
益子駅と陶器市中心地の間は、直通のシャトルバスや、いくつかの停留所を通る巡回バスが走っています。また、徒歩でも20分程度なので、散歩がてらのんびり歩いて向かう人も多いです。
バス
私はバスで行ったことがないので想像になりますが、バスは車と電車の中間的な立ち位置ではないかと思います。
バスのメリット:出発地からは乗り換えなく移動できる、電車と比べてリーズナブル
バスのデメリット:渋滞で到着時間が遅れることが多い、帰り時間が予め決まっているものがほとんど
益子陶器市の期間は、あらゆるところで陶器市への日帰りツアーが組まれます。
出発地には東京、神奈川、千葉などがあり、関東近郊の人は比較的利用しやすいかと思います。こちらでは調べきれていないのですが、他のエリアのツアーもあるかもしれないです。
バスは交通費を抑えたいなら一番おすすめですが、車同様、渋滞にハマってしまう可能性があります。
また、ツアーで往復の出発時刻が決まっているものは「もう帰りたい」「もうちょっといたい」と思っても帰り時間の変更ができないので、そこも注意が必要です。
【初心者さん向け!】益子陶器市の歩き方
※2024年秋のマップなので、来場の際は公式サイトから最新のマップを確認してください。
ここでは、陶器市を少しでも効率良く見られるように、益子陶器市の歩き方を私なりにまとめてみました。
3回参加しての情報なので、益子陶器市初心者さん向けです。
まずは陶器市マップをチェック!
前述したように、益子陶器市は町の中心地全体が会場になっており、効率よく回るためには、まず公式サイトのマップをチェックするのが必須です。
陶器市の中心地である城内坂通りと里山通りの両サイドには「テント村」と呼ばれるエリアがいくつも作られてます。その数はおよそ30ほど。
各テント村には、出店者のテントが並びます。数十軒のテントがひしめくテント村もあれば、既存の建物の中で数名の作家さんがスペースを作って商品を並べているテント村まで、規模は様々です。
マップには、テント村の場所はもちろん、駐車場や巡回バスの停留所、トイレの場所も記載されており、これ1枚あると本当に安心です。駅からの道もこれを見ればわかりやすい!
マップは、事前に自分で公式サイトの陶器市マップページからダウンロードするか、印刷して持参するのがベターです。2024年秋は会場で印刷されたマップが配布されていたのですが、春と2023年秋は会場での配布がありませんでした。
大まかな歩き方
テント村は、毎回同じ名前、同じ場所に作られていることがほとんどですが、回によって異なる場合もあるので、必ずその都度最新のマップを確認するようにしましょう。
テント村がある城内坂交差点から道祖土交差点の間は、普通に歩いても片道約20分。テントを見ながら行くことを考えると、片道だけでも結構な時間がかかりそうですよね。
城内坂通りと里山通りは、陶器市開催中の車通りが結構多く、頻繁に道路を渡るのはなかなか大変です。テント村を満遍なく見ていきたい人は、まずは道路の片側のテント村を順に見ていき、道祖土交差点で道路を渡って折り返し、もう片側のテント村を順に見ていく、というのが見やすく安全かなと思います。
各テント(出店者ごとのブース)について
益子陶器市の公式サイトでは、出店者ごとに「出店するテント村」「決済方法」「SNSやWEBサイトのリンク」などがまとめられており、とても便利です。
公式サイトのTOPページの検索窓から検索するか、「出店者情報」からテント村ごとに出店者をチェックすることもできます。
行きたいテントが決まったら、事前にその出店者のSNSやWEBサイトなどをチェックしましょう。
人気の作家さんだと、事前に整理券を配るケースもありますし、早い段階で商品が売り切れてしまうこともあります。
また、陶器市全体のオープン時間と、各テントのオープン時間が違う場合もあります(早くオープンしたり、ちょっと遅れてオープンしたり)。
各出店者の細かいルールを知るなら、それぞれのSNSやWEBサイトの情報が一番確実です。
ちなみに、急な事情でオープン時間が遅くなったり、天候不良などで告知なく早めにクローズしたりするケースもありますが、そこは大らかな気持ちでいけると良いのかな、と思います。
余談ですが、今はSNSで情報発信している作家さんが多いように感じます。
気に入った作家さんをフォローすると、その作家さんの展示会の告知から知らなかったうつわ屋さんを発見したり、交流している別の作家さんを知ることができたり、新たな世界が広がります。
実際私も、陶器市で知った作家さんをフォローし、その作家さんが紹介している別の作家さんが気になり、その方もフォローし、という感じで、情報収集をしております。楽しいです。
飲食、休憩について
食べ物、飲み物については、各テント村やその近くで割と多く、満遍なくブースが出ていた印象です。が、どこもかなり混んでいると思っていた方が良いでしょう。
「益子焼窯元共販センター」とその付近では多くの屋台があり、共販センターの建物前には、休憩できるテーブルと椅子も多く並べられます。ひとまず座りたい!というときは、ここに行くと座れる可能性大です。
個人的には(好きなのもあり)カレー屋さんをよく目にしました。どこもとても美味しそうだったのですが、お昼時はかなりの人が並んでおり、タイミングが合わず今のところ食べられていません。次回はチャレンジしたい!
決済について
今はクレジットカード、QRコードなど、キャッシュレス決済できるテントもかなり増えておりますが、それでも現金のみのテントもまだまだ多い印象です。
また、2024年秋は、本来キャッシュレス決済できるテントでも、ネット環境が悪く、一時的に現金のみの対応になっていたところがありました。
一箇所に多くの人が集まると、ネットがなかなか繋がらないというのはよくありますよね。
色々加味すると、ある程度の現金は持っていった方が良いでしょう。
私は毎年予算を決めて参加しているのですが、一応予算分の現金は持っていきます。キャッシュレスはスムーズに使えるなら使っていく、というスタンス。
ネット環境が不安定だと、カード決済でも時間がかかってしまい、現金の方が意外とスムーズに購入できたりします。
梱包、袋について
購入したうつわは、各テントで新聞紙に包んでくれます。私が購入したテントは全て新聞紙に包んでくれました。
また、ビニール袋についても、欲しい旨を伝えれば、くれるテントが多いかな、と思いますが、白くて薄い、最低限のビニール袋です。
いくつもうつわを買って持ち帰ることを考えると、やはり自分でエコバッグをいくつか持参した方が良いでしょう。
2024年秋には、うつわを入れる大きな「かごバッグ」を売っているところもあり、いいな!と思いました。
気になる人は、「陶器市」「かごバッグ」などで調べると、色々と出てくると思います。
宅配便について
これは私も利用したことがないので、過去のSNSや公式サイトでの情報となります。
一時期は、クロネコヤマトで臨時宅配発送所を作ってくれていたようですが、2024年秋はそのような情報はなかったと思います。
ただ、2024年秋は、益子焼協同組合の店舗で、ゆうパックの集荷があったようです。
次回以降の対応は、その都度公式サイトや公式SNSでチェックするのが確実だと思います。
益子陶器市へ行くならここも見て!
ということで、益子のアイコン的なものから、うつわを買いに来たなら見ておきたいもの、時間に余裕があればじっくり見てほしい場所まで、私の知る範囲でいくつか紹介させてください。
益子のアイコン?「ぽんたくん」
見ると毎回ついつい写真を撮ってしまう。
個人的に、はるばる益子に来た感があって好きです。
ミニぽんたくんみたいな人形や七福神、ひしめくやきもの達に益子の縮図を感じる良き場所。
うつわの歴史と趣を感じる「登り窯」
益子では、歴史ある登り窯を実際に見学することができます。
陶器市マップには、いくつか登り窯のアイコンが載っていますので、興味がある人は是非見学してみてください。
陶器市中心地にある「陶芸メッセ」
「陶芸メッセ」と呼ばれるエリアは、大きなテント村がいくつも設営され、多くの人が集まる場所のひとつです。
ここは、「旧濱田庄司邸」や「益子陶芸美術館」など、多くの施設も集まっています。
旧濱田庄司邸では、登り窯も見ることができます。テントを見るついでに気楽に見学できるのも◎。
益子陶芸美術館は、私は入ったことがないのですが、是非入ってみたい場所です(いつも結局時間が足りず入れない)。
民藝に興味がある人は「濱田庄司記念益子参考館」
こちらも、行きたいのにいつも時間が足りず断念しているところ。
陶器市開催エリアの一番奥、道祖土からさらに少し歩いたところと、なかなか遠いのです。
私もいつか頑張って時間を作って見に行こうと思うので、民藝に興味がある人は是非一度行ってみてください!
濱田庄司については、いつか民藝の記事を書いた際に詳しく触れたいな、と思っています。
益子陶器市の情報はこうやって集めよう!
前述したものも含め、益子陶器市の情報を集めるためのURLリンクをここでまとめておきます。
益子陶器市公式サイト
日程、マップ、出店者情報など
益子町観光協会公式サイト
陶器市の情報、その他観光情報など
【公式】栃木県益子町 観光インスタグラム
陶器市前後は、陶器市のリアルタイム情報が多く投稿されます
真岡鐵道株式会社公式サイト
時刻表、益子陶器市フリーきっぷの情報など
【2024年秋】益子陶器市の思い出
2024年は、春と秋のどちらも参加することができました。
春は夫と一緒だったのですが、秋は夫が仕事のため、一人で参加。滅多にない一人遠出に、少しワクワクします。
益子駅到着目標を9:00にすると、朝は4時起き、最寄り駅の電車は始発。
早起きはそこまで苦ではないですが、乗り換えが4回ほどあるので、なかなかの疲労感です。
しかし、会場に着いてしまえばそんな疲れもふっとんでいき「早く見たい回りたい」とテンションもマックスに(笑)
とはいえ、お腹すいたし、まずは何か食べようかなーと、前回も立ち寄ったフードのテント村を訪問したのですが、ものすごい行列で何も買えない。
後で、うつわを購入したお店で聞いたのですが、前日(初日)の天候が酷くていつもより人手が少なかった分、この日の人手がものすごかったようです。
春は大雨の日に行ってしまい、寒くて寒くてビールもあまり飲めず、かなり大変だったので(でも楽しかった)、秋は天気予報を直前までチェックして、確実に晴れそうな日を狙って行ったのですが、そうなると、やはり混雑するよねーと、納得。
しかし、天気には本当に恵まれ、ものすごい混雑を加味しても、私はこの日に行って本当に良かったです。
結局、この日会場で食べたのは、おにぎり1個、ビールもかろうじて1杯だけ。混んでいたので、立ち飲みしました(笑)
さて、3回目の参加となると、少しずつ、好きな作家さんやお店さんが増えてきます。
お目当てのブースに行って「うんうん、やはり私好み」と感じる瞬間は、本当に心が踊ります。
休憩をほとんどしなかった分、ゆっくりブースを回って、好きな作家さんの作品や、お気に入りのやちむんのお店の深鉢を、しっかりゲットできました。
やちむんのお店は、春に行った際、大雨で早めに店じまいしており見ることができなかったので、今回はどうしても見たかったのです。
ここは益子ですが、沖縄のやちむんも買うし、八ヶ岳の作家さんのうつわも楽しみだし、湘南の作家さんのうつわも必ずチェックします。
ちなみに、今回は、回りたいブースの他に、買いたいものもある程度決めて行きました。
・貫入がびっしり入ったうつわ
・アジア料理に使えそうなターコイズカラーのうつわ
・そこまで小さくない取り皿
・白い大皿
・お茶碗2つ(大きめサイズ+普通サイズ)
結論、これら全て買うことができまして、大満足でした。
特に、貫入がびっしり入ったうつわは「これ!」というものになかなか出会えず、ずっと欲しかったもので、今回好きな作家さんのブースで見つけた時は本当に嬉しかったです。
一度見つけると、そこからは不思議と立て続けに見つかるもので、その後、別のうつわの展示会でも好みのものを見つけ、一気に貫入のうつわが増えたのでした。
取り皿は、2枚で800円という破格の価格で、好みのものが見つかりました。ディスカウント商品の発掘も、陶器市の楽しみですよね。
しかもこの取り皿、色がターコイズカラー。形もオーバルで、そこそこの大きさ。見た瞬間、あるだけ手に取り購入しました。
白い大皿も、なかなか買えていなかったうつわです。
白いお皿、持ってはいるのですが、黄色味がかった白だったり、柄が入っていたり。「無地の白」を一度きちんと購入したかったのです。
理想としていたのは、ちょっと薄めで滑らかなお皿。
ちょうど、何気なく見たブースに白いうつわばかり置いてあり、その中に、まさに薄めで凹凸のない、ツルッとしたものがありました。
購入する時に少し作家さんとお話させていただいたら、毎年同じテント村で出店されているとのこと。来年の楽しみがまた増えました。
お茶碗も、初めてのブースで購入。
こちらは、ちょっとゴツめの「ザ・焼き物」みたいな見た目のものをゲットできました。
さて、帰宅して、テーブルに買ってきたうつわ達を並べます。
やり切った。私。
ひとしきり写真を撮り、おもむろにうつわを片付け、ここからは目止め。
この量だと、我が家にある鍋では入り切らず、深めのフライパンも動員して、一気にやります。
白の大皿はサイズ的に入らないので、中華鍋を出してきて、半身ずつ米汁に漬けて、なんとか乗り切りました。
さあ、あとは使い始めるのみ。
…ではなく、片付ける場所を作らないと。
ここから、すでにパンパンの食器棚の整理が始まります(笑)
また、来年!
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